CNAPPとは? クラウドセキュリティを強化する最新のセキュリティプラットフォーム

- CNAPP
- ゼロトラストセキュリティ
- クラウドセキュリティ
- SOC
- サイバーセキュリティ
そんな中で注目されているのが**「CNAPP(Cloud-Native Application Protection Platform)」**です。
本記事では、CNAPPとは何か、なぜ重要なのか、どのような機能があるのかについて詳しく解説します。
1.CNAPPとは?
CNAPP(Cloud-Native Application Protection Platform)とは、クラウド環境のセキュリティを総合的に管理・保護するためのプラットフォームです。
企業がクラウドを活用する際、以下のようなセキュリティリスクが発生します。
- クラウドの設定ミスによるデータ漏洩
- 脆弱性を悪用したサイバー攻撃
- 不正アクセスやマルウェアの侵入
CNAPPはこれらのリスクを軽減するため、複数のセキュリティ機能を統合的に提供します。従来は個別に導入されていたCSPM(クラウドセキュリティ態勢管理)やCWPP(クラウドワークロード保護)を一元的に管理できる点が大きな特徴です。
2.なぜCNAPPが重要なのか?
クラウド環境のセキュリティは、従来のオンプレミス環境とは異なり、動的で複雑な管理が求められます。従来のセキュリティツールだけでは、クラウド環境の脅威を十分に防ぐことが難しくなっています。
CNAPPが重要視される理由は以下の3点です。
① クラウド環境の可視化と一元管理
CNAPPを導入すると、クラウド上のリソースやセキュリティリスクをリアルタイムで監視し、一元的に管理できるようになります。これにより、設定ミスや脆弱性の検出が迅速に行え、セキュリティリスクを最小限に抑えることが可能です。
② ゼロトラスト戦略の実現
近年、多くの企業がゼロトラストセキュリティを採用していますが、クラウド環境では特にその重要性が増しています。CNAPPはゼロトラストの考え方に基づき、ユーザーやデバイスの振る舞いを分析し、不正なアクセスを自動でブロックする仕組みを提供します。
③ コストと運用負荷の削減
従来、クラウドのセキュリティ対策は複数のツールを組み合わせて運用する必要がありました。しかし、CNAPPを導入すれば、1つのプラットフォームで包括的なセキュリティ対策が可能となり、コストと運用負荷を削減できます。
3.CNAPPの主な機能
CNAPPには、以下のような機能が統合されています。
① CSPM(Cloud Security Posture Management)
クラウド環境の設定ミスやポリシー違反を検出し、セキュリティ態勢の管理を自動化する機能です。たとえば、「パブリックに公開されているS3バケットがないか?」などをチェックし、問題があればアラートを出します。
② CWPP(Cloud Workload Protection Platform)
クラウド上のワークロード(仮想マシン、コンテナ、サーバーレスなど)を保護する機能です。マルウェアの検出や脆弱性スキャンを自動で実行し、不正アクセスのリスクを低減します。
③ IAM(Identity and Access Management)
ユーザーのアクセス権限を管理し、不要な権限付与を防ぐことで、内部からの脅威を最小限に抑えます。また、多要素認証(MFA)やコンテキストベースのアクセス制御も提供します。
④ ランタイム保護
アプリケーションが実行されている間に、異常な挙動を検出し、リアルタイムでブロックする機能です。これにより、ゼロデイ攻撃などの高度な脅威からクラウド環境を守ることができます。
4.CNAPP導入のメリット
CNAPPを導入することで、以下のようなメリットが得られます。
- クラウド環境のセキュリティを強化できる
- 設定ミスや脆弱性を自動検出し、リスクを低減
- 複数のツールを統合し、運用コストを削減
- ゼロトラスト戦略の実現をサポート
- リアルタイムでの脅威検出・対応が可能
導入事例として、ある企業ではCNAPPの導入によってクラウド設定ミスを80%削減し、セキュリティインシデントの発生を大幅に抑えることに成功しました。
5.CNAPP導入時の注意点
一方で、CNAPPを導入する際には以下の点に注意が必要です。
- 導入コストが発生する(特に初期費用やライセンス費用)
- 既存のセキュリティツールとの統合が必要
- クラウド環境の運用ルールを見直す必要がある
導入前に、自社のクラウド環境やセキュリティ要件をしっかりと整理し、最適なCNAPPソリューションを選定することが重要です。
6.まとめ
CNAPPはクラウド環境全体のセキュリティを強化するためのプラットフォームですが、SOC(セキュリティオペレーションセンター)と組み合わせることで、さらに効果的なセキュリティ運用が可能になります。
SOCは、セキュリティインシデントの監視・分析・対応を行う組織やサービスです。一方、CNAPPはクラウド環境のリスクを可視化し、自動で脅威を検出・対策する機能を持っています。
この2つを組み合わせることで、CNAPPがリアルタイムでリスクを検出・防御し、
SOCがインシデントの詳細分析や高度な対応を実施する、という理想的なセキュリティ体制を構築できます。
Colorkrew SecurityのSOCサービスとCNAPP導入
Colorkrew Securityでは、SOCとCNAPPを組み合わせたセキュリティ対策の支援も行っています。クラウドセキュリティの強化を検討されている企業は、気軽にお問い合わせください。